その日の朝から、どうにも和葉の様子はおかしかった。学校へ行く道すがら、相変わらず他愛のないことを屈託無く話しているのだが、時々フッと思案顔になる。
なんか、悩みでもあるんやろか?
かと言って向うから話してくれないものを根掘り葉掘り聞き出すのもどうかと思う。幼馴染とは言え踏み込めない領域は、当然ある。どうしたって気になるが。
「なんや、景気悪い顔して。腹でも痛いんか?」
「ん?ちゃうよ。なんもないって」
そう言われてしまうとそこから先には踏み込めない。
相談したくなったら切り出してくるに違いないと放っておくことに決めた。
が。
部活が終わって帰宅すると、母の静華となにやら居間で雑誌を覗き込む和葉がいた。いつもの笑顔に、変わった様子は無い。
「あ、平次や。お帰りぃ」
「ええとこ帰ってきたわ。もうすぐ晩御飯の支度せなならんのやけどな」
寧ろ、とっくに支度が終わっていてもいい時間のように思われたが、とりあえず反論するのは止めておいた。
「悪いけど、あんた作ってぇな。ご飯」
「はあ?なんでやねん。俺、部活で疲れてんねんけど」
「うちは今日、頭が痛いんや。ええやん、たまには親孝行しても」
「……三日前にもした気ぃするんやけど。あん時は和葉と映画観に行って遅なったんやったっけ?」
「細かいこと気にしぃなや。和葉ちゃんも、食べたいやんなあ。平次の親子丼」
「……メニューまで決まっとんのかい」
頭が痛いの云々は見え透いた嘘で、ただ単に和葉とお喋りがしていたいだけなのは明白だったが、そんなことは今に始ったことでもない。
少しだけ困ったように視線を送ってくる幼馴染に軽く肩を竦めてみせた。
台所に向かおうとする背に、更に静華の声が飛ぶ。
「あと、大根の御味噌汁と、小松菜のお浸しな。それと鰯の南蛮煮が冷蔵庫にあるから」
「へいへいへいへい」
「平次、アタシ手伝おか?」
「アホ。それやったら意味ないやん。お前はそこでおかんの相手しとけっちうんや」
「平次やったら大丈夫やから。ええやろ、和葉ちゃん」
「ん。平次がそう言うんやったら、アタシおばちゃんとお喋りするん楽しいし」
一度部屋に戻って制服から着替えて、階下に降りる。居間からは相変わらず笑いさざめく声が聞こえる。
ま、ええか。
別に料理は嫌いじゃない。なによりいつもと変わらない和葉の様子に安堵した。
台所で鼻歌交じりに親子丼を作る。と、和葉が顔を覗かせた。
「なんや?お茶か?悪いけど、そんくらい自分で……」
「おばちゃん、でかけてもうた」
「へ?」
「さっき電話があって。府警本部行く、言うて」
そう言えばさっき電話が鳴っていた。特に気に止めていなかったが、でかけるなら台所の自分に一言くらいかけて欲しいものだ。
作りかけていた三つ目の親子丼の火を慌てて止める。
「なんや。また事件かい」
「みたいや。帰られへんようになったから着替え持ってく、言うてたから。……アタシもなんか、手伝うよ」
「もうこれで終わりやけど。それやったらそこのお浸しとか、向う運んでくれ」
「ん」
どうやら和葉と差し向かいで晩御飯を食べることは強制的に決定事項らしい。無論、嫌なわけではないが。
平蔵が帰れない日、必ず静華は府警本部を往復する。ご苦労なことだと思う一方、そんな母を尊敬してもいる。
「ん。美味し」
「たくさん食っとけや。お前、また細なったんとちゃうか?」
「そんなことないよ。それにそんな、プクプク太るん嫌やし」
「和葉の場合細すぎや。太れとは言わんけどなあ。も少し出るとこは出ぇへんと……」
「平次のスケベーー!!」
手元の御手拭を投げるマネをする和葉に付き合って、受け取る振りをする。
わざとらしく少し乱暴に口に親子丼を運ぶ和葉の眉間に、皺が寄った。
「なんや、不味かったんか?」
「ん?違うよ。美味しいって」
「せやったら、なんなんや。眉間に皺、寄ってんで」
「んーー」
「なんや、お前朝もそんな顔しとったやろ」
「んーー」
右手で頬を軽く抑えて。上目使いに少し恥ずかしそうに和葉がつぶやいた。
「は」
「は?」
「歯、痛いん」
***
これは十分自慢できることだと思うのだが、和葉は生まれてこの方虫歯になったことが無い。何しろ遠山家も服部家もその辺の躾は厳しかった。朝昼晩、子供の頃から三分間の歯磨きを科せられた。学校に通うようになっても、必ず昼休みにも磨いている。
遊びたい盛りに昼休みの歯磨きをこっそりサボったせいかどうかは知らないが、平次は一度虫歯を作った。が、和葉は虫歯知らずなのである。
「なんや、虫歯か」
「多分……」
「歯磨き、サボっとったんやろ」
「……そんなつもり、なかってんけど……」
「それやったら甘いもん食いすぎや」
「やっぱそうなんかなあ」
痛むのか、泣きそうな程に眉をハの字にして右の頬を抑える。
「そんな痛いんか?ちょう、見せてみぃや」
「え!!??嫌や!!」
「……まあ、俺なんかが見てわかる虫歯やったらよっぽどやけどな。水とか、沁みるんか?」
「たまに……いっつも痛いわけちゃうねんけど……たまに、痛いねん。水も、たまぁに沁みる……」
「んー。まだ初期っちうことやろか。さっさと歯医者行けや」
「う」
「虫歯は自然治癒せぇへんからなあ。放っといても酷なるだけや。さっさと治すんが一番やで」
「せやけど……」
「初期やったら、ちょっと削ってちょっと埋めるだけや。酷なったら、銀歯になんで。まあ、今はセラミックとかあってあんま目立たんらしいけど、早よ治すにこしたことないやろ」
「ん……」
「滝本が、駅前に新しくできた歯医者が女医さんで結構ええって言うてたで?早目に予約取った方がええんちゃうか?」
「ん……そうやんな……」
「なに迷てんねん」
どうにも幼馴染は歯切れが悪い。
「まあ、今まで虫歯なかったんができて悔しいんはわかるけどな。放っててもええことないで?早期発見早期治療や」
「それは……わかってんのやけど……」
「それやったら、なに迷ってんねん」
さっさと親子丼を完食して沢庵を口に放り込む。と、いきなり和葉が手を合わせて頭を下げた。
「平次、お願い!!」
「な、なんや」
「……歯医者、ついて来てくれへん?」
「はあ?」
「……お願い。後でちゃんと、お礼するし」
「なんや自分、歯医者怖いんか?」
呆れてその顔をまじまじと見つめると、バツが悪そうに小さく頷く。
「アホか。子供やないんねんで?歯医者くらい一人で行けや」
「お願い。ホンマ、一生のお願いやから」
「何がそんなに怖いんや。別にとって食われるわけちゃうで?」
「あの音が嫌なん。きぃぃぃぃんって」
「ホンマ、お子様やなあ」
「せやけど……平次も死ぬほど痛かったて言うてたやん!!」
「……あー」
ほんの少し後ろめたい思い出にぶち当たり、平次は思わず視線をさ迷わせた。
***
平次が虫歯を作ったのはまだずっと子供の頃。乳歯が抜けて永久歯に生え変わる過渡期に、一番奥の乳歯が虫歯になった。放っておけばいずれ抜けるが、かといって口の中に虫歯菌を飼っておくのは宜しくない。永久歯に影響が出ては少々困る。
いっそ抜いてしまっては、という意見も出たが、結局医師と静華が相談の上治療することになった。まだ初期だったので削るのもホンの少しで済む程度。ホンの数分で終わるであろう簡単な治療。
しかし、幼い平次にとってはこれは重大事件であった。
虫歯を作ってしまったことによる敗北感もさることながら、歯医者に対する恐怖は並々ならぬものがあった。
何しろ幼い頃から躾の一環として科せられた歯磨きの効果に説得力をもたせるため、ご多分に漏れず「いかに虫歯が痛いか」「いかに歯医者が怖いところか」を聞かされ続けてきたのである。
あの滅法強くて怒ると鬼のよう恐ろしい平蔵までもが「わしも虫歯作って歯医者行くくらいやったら、なんでもやる、思うくらい痛いんやで」とか真顔で言うのだ。平次の頭の中で歯科医院殆ど地獄と同等のイメージを持ったのも無理なからぬことであった。
同じくらい悲壮な顔で心配する幼馴染の手前大人しく歯医者に行ったが、実は何度か家出を考えたほどに歯医者が怖かったのが正直なところなのだ。
母に付き添われ、泣きそうになりながら「頑張ってちゃんと戻って来てぇな」と待合室で待つ幼馴染に見送られ、妙に白い扉の向うに入る時には剣道の試合会場に足を踏み入れる時以上の圧迫感を感じたのを今でも覚えている。
……「俺、頑張るからな!!」などと幼馴染に宣言する平次の姿は、今思えばさぞかし母や歯医者の職員には微笑ましく写ったに違いない。
挙句、歯の治療は大したものではなかった。
悲壮感漂う平次に初老の医師は軽く笑ってみせ、「男の子やろ、しっかしりせぇ。そんな大層なもんやないで?」とその頭をぐしゃぐしゃっと撫でた。
結局抜かずに治療になったため、日を改めることも麻酔注射をすることも無く。例の音は平次の恐怖心を悪戯に煽ったが、全く痛みを感じることなくあっという間に治療は終わった。
「なんや、おかん。めっちゃ痛いとか言うとったから、俺、めっちゃびびったやんか!!」
「アホ。何言うてんねん。今回は酷ならんうちに来たから大丈夫やっただけで、あんたがもっと歯磨きサボるともっと酷いことになって、めっちゃ痛い思いすることになんねんで?」
「ホンマか?おかん、俺らに嘘言うてるんとちゃうやろな」
「ホンマやホンマや。酷なるとなあ、口ん中に注射したり、ペンチで歯ぁ引っ張ったり、大変なんやで?」
「ほら、お医者さんかて言うてるやろ?せやからな、そうならへんようこれからも歯磨きはちゃんとやらなあかんのやで?」
「せやせや。頑張らなあかんで」
半分騙された気分にはなったが、再び言い包められ。とりあえず歯磨きはせなあかんなあと決意を新たに、一礼すると待合室へ戻った。
戻った途端、駆けて来た和葉に両手を取られた。
「平次!!大丈夫やったん!!??」
その大きいな瞳が真っ赤になっている。平次の方が面食らった。
「平次、痛かった?痛かったん?大丈夫?」
「なんや和葉。泣いたんか?和葉も歯ぁ痛なったんか?」
「アタシは平気やけど、平次は?大丈夫やった?泣かへんかった?」
「アホ。俺が泣くか」
「ホンマに?なあ、痛かったんちゃうの?死ぬほど痛いんちゃうかったん?」
平次の手を握る和葉の手に、力が加わる。
「大変やってんで?和葉ちゃん。平次が死んでまう!!って、泣いててんから」
近付いてきた女性はさっきまでは受付の中に居た気がする。どうやら一人で待つ和葉を心配して、その隣にいてくれたらしい。
「どんなに平気や、大丈夫やって言うても、平次が心配や言うて泣いてもうて。ほら、ここやと中の音だけ聞こえるやん?きぃぃぃんって。よっぽど心配やったみたいやで?」
「アホか。俺は平気やったで」
「何言うてんの、平次。あんたかてさっきまで死にそうな顔しとったやん。大体なあ、和葉ちゃんが心配してくれたんやで?まずはお礼やろ」
「あ……ありがと、やけど、俺もう大丈夫やから。平気やで」
「でも、めっちゃ痛かったんやろ?」
和葉がまた泣きそうな顔で平次の顔を覗き込む。
「めっちゃ凄い音しとったもん。なあ、平次。何されたん?大丈夫なん?」
「和葉ちゃん、きぃぃぃんって音するたびに耳塞いで、いややー言うてめっちゃ可愛かったんよ」
「痛いんはお前やのうて、俺やん。なんで和葉が痛がってんねん」
「せやかて、めっちゃ痛そうな音やってんもん!!なあ、平次。ホンマに大丈夫なん?痛なかったん?」
本気で心配する幼馴染に。ホンの少し、見栄を張りたくなって。
「おう。めっちゃ痛かったで」
つい、嘘が口から出た。
「ホンマに?」
「ホンマや。滅茶苦茶痛かったわ。ホンマ、おとんが言うてたこと、嘘ちゃうで」
「そんなに痛いん?」
「泣くほど痛いで」
「でも平次、泣かなかったんや……」
「当たり前や。俺が泣くか」
「平次……凄いんやなあ……」
「今更何言うてんねん。まあ、ホンマにめっちゃ痛かったけどな。俺が泣くわけないやん」
「さすが平次や……カッコいい……」
「当たり前やろ?」
瞬間、ペシッと静華に後頭部をはたかれた。
「せ、せやからな」
慌てて言い繕う。
「虫歯んなったら、めっちゃ痛い思いするから。やっぱ歯磨きはせなあかんってことや。な、なあ、おかん」
冷たい視線に背筋が凍る思いがしたが。平次に一瞥をくれると静華はニッコリと笑った。
「せやせや、和葉ちゃん。ちゃんと、歯磨きはせなあかんよ。こんなアホみたいに虫歯作っとったらあかんわ。ホンマ」
「ん。アタシ、頑張る。アタシやったらきっと泣いてまうもん……」
***
成長するにつれ、歯の治療はどうやら麻酔さえしてしまえばそんなに痛くないということはわかってきたが、どうやら和葉の先入観の原因は自分にあるらしい。
「あれは嘘やったんや」と正直に告白したにも拘わらず、和葉の疑いは晴れることなく、結局平次は歯医者まで付き添うことになった。
「……中まで一緒に来てくれへんの?」
「アホか。子供やないねんで。俺はここで待っといたるから。大丈夫や、先に帰ったりせぇへん」
「事件起きても?」
「あー……そら、まあ……」
「……嘘や。そん時は、ちゃんと受付に伝言してな。そしたらアタシ、頑張ってくるから」
「お、おう。頑張れや」
悲壮な表情で扉の向うへ消える和葉を見送り、平次は溜息をつくと待合室の椅子に深く腰掛けるた。
たまに痛む程度と言っていたから虫歯は酷くは無いだろう。あの時の自分のように、拍子抜けて出てくるに違いない。
「彼女、歯医者怖いんや。可愛いなあ」
受付の女性が意味深な笑みを浮かべて話し掛けてくる。
彼女ではなく、ただの幼馴染だと訂正しようとした所に受付の電話が鳴り、言葉を返すタイミングを失った。仕方なく持って来たバイクの雑誌をパラパラとめくる。
意識が睡魔に引っ張られ始めた頃、扉が開いて母親につれられた少年が入ってきた。歳の頃は、ちょうどあの時の平次と変わらない。
「おかん、嫌や。僕歯医者なん、嫌や」
「何言うてんの。虫歯になったんは自分のせいやろ?ちゃんと治療せぇへんかったら、歯ぁ痛いままやで?」
「痛くてもええもん。歯医者は嫌や」
「アホ。歯ぁ痛いままやったら、今日からお菓子も何も、食べれへんで?そのうちご飯も食べれへんくなんで?ええんか?」
「嫌やけど、歯医者も嫌やぁぁぁぁ」
早くも泣きかける頭をポンと、一つ軽くたたいてやる。
「アホ、何今から泣いてねん」
「兄ちゃんも、虫歯なん?」
「ん?俺は単なる付き添いやけどな。お前と同じくらいの時に、一回虫歯んなったことあんのや」
「歯医者、痛いんやろ?兄ちゃん平気やったんか?」
「当たり前や。男がなあ、歯医者の一つや二つで泣いてたらあかんで」
「う、うん……せやけど僕、痛いん嫌や」
受付の女性が少年の名前を呼ぶ。診療室の戸が開いて、和葉が出てきた。
「平次、何してんの?」
「ん?こいつが歯医者嫌やて泣きかけとるから、あかんやろ言うてたんや」
「ま、まだ泣いてへんもん!!」
急に元気に断言する少年を思わず目を丸くして振り返る。
「ぼ、僕平気やもん。歯医者なん、べ、別に怖ないもん」
子供ながら、それでも「綺麗なお姉さん」に見栄を張りたいということなのだろう。半ば呆れつつも、昔の自分が被って平次は苦笑する。
「せやせや。頑張らなあかんで?平次も……このお兄ちゃんもなあ、小さい頃虫歯になったん。そんで、めっちゃ痛かったんに、泣かんかったん」
「うん。さっき聞いた」
「あん時の平次、めっちゃカッコよかったんやで?せやからなあ、あんたも頑張らな」
「うん!!僕頑張る!!」
ころりと態度を入れ替える様子に母親も苦笑しつつ、少年を診療室へ促した。
「ほな、頑張ってなぁ」
その背にひらひらと手を振って。
「なんや。しっかりした子やん」
「……そうみたいやな」
すぐに受付に和葉が呼ばれ、会計を済ませる。雑誌を片して二人で歯医者を出た。
「なんや、和葉ちゃんは泣かんかったんか?」
「あ、うん、アタシな」
「ほな、泣かんかったご褒美になんか奢ったろか……って、しばらくモノ食えへんのか?」
「ちゃうねん、アタシな、虫歯ちゃうかったん」
思わず足が止まった。
「なんや。せやったら、何で歯ぁ痛かったんや?あれか?知覚過敏ちうやつか?」
「ちゃうねん。親不知が生えてきて、そんで痛かったん。もう暫くたまに痛むやろうけど、生え切ったら大丈夫やねんて」
「はあ、親不知」
どうやら和葉の対虫歯菌不敗神話はまだまだ続きそうである。
「虫歯やのうてよかったわー。アタシやっぱ、痛いん嫌やもん。あのきぃぃんって音も嫌いやし」
「あんなあ」
虫歯の治療の痛みなんて大したこと無い。再度、そう言いかけたが。
「あん時の平次、ホンマめっちゃカッコよかったで」
「へ?」
「めっちゃ痛かったんに、全然泣いてへんかったもん。アタシ、ホンマにあん時は平次のこと尊敬したわ」
「……あん時は、ってなんやねん。俺はいつでもカッコイイやろ?」
「んー。どうやろなあ」
「なんやと!!??ほんなら俺がどんくらいカッコイイか今から小一時間説明したろ」
「いらんいらん。ハイハイ、平次クンはカッコイイカッコイイ」
「あかん。もう少し感情篭めて言えや。やり直しや」
「可愛い幼馴染」に見栄を張るためについついてしまった嘘。何度「あれは嘘やった」と言っても信じようとしない幼馴染。
「なあ、平次」
「ん?」
「歯医者ついてきてくれたお礼や。アタシがなんか、奢るって」
「ほな、焼肉でも奢ってもらおかー」
「……食べ放題でもええ?」
「んー。それより、あれや。和葉の作った豚の梅煮食いたいなあ、俺」
「そんなんでええの?」
「ええで。作ってくれるんやったら、おかんに電話しとくけど、どや?」
……何年先か知らないが、和葉が虫歯になる日まで。このままでもいいのかもしれない。
ダラダラと長くなってしまいました。すみません。なんで差し向かいで飯食うシーンまで行くのにこんなに時間掛かるかな、自分。
なんとなく、平次も和葉も虫歯がなさそうだな、と。綺麗な白い歯をしてそうです。平次に「芸能人は歯が命やで」と言わせたかったのですが<古!!
その他が長くなったので、削除しました(笑)。だって、歯医者の待合室で「いややー」って言ってる和葉のが可愛いんですもん。
両家の両親に散々脅されて。よほど恐かったんだろうなあ、歯医者。よほど心配だったんだろうなあ、幼馴染のことが。平次!!この果報者が!!<自分で書いて何言うかな
つか寧ろ歯医者に行かなければいけないのは自分……あうう。和葉ーー!!お願いついてきて!!この際平次でもいいや<酷!!
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