部活が終わって部室で着替えとったら、ロッカーの上に積んであった雑誌がいきなり崩れて。
その真下におった友達を助けようとして、狭い部室で反射的に動いたらバランス崩して。
落下する雑誌からは友達共々逃れられたものの左手の親指突き指してもうて。
大したこと無いなあ、思たんに慌てた友達に保健室につれてかれて。
しかも、なんや余計なことに平次まで呼んでこられてもうて。
「なんや、自分。その手ェ」
「保健の先生がしてくれたんやけど……こんなん返って不便やんなぁ。親指だけで、ええのに」
「固定しとけっちうことやろ」
左手には包帯。しかも完膚なきまでにぐるぐる巻きでミトン状態。
利き腕ではないとはいえ思いの外不便だ。
「まあ、突き指の固定なん、難しいしな。包帯なんかでガードできへんし」
「こんなん、ほっといたら治るんに。いややわぁ。大袈裟やん。お父ちゃんになんて言われるやろ」
「たまには心配かけとけ。あ、間違っても平次のせい、なん口走るなや。俺、殺されるわ」
「なんやの、それ」
夕暮れ時。沈みかける夕日がグラウンドと校舎とアタシと平次を赤く染める。
「帰るで」
「うん」
「鞄、持ったるわ」
「ええよ。右手空いてるし」
「そんなん、俺がわざわざ呼ばれた意味ないやろ。怪我してる時くらい、人の好意は素直にうけとけ」
「好意なん?」
「あとでジュース奢ってくれや」
「……」
それ、好意ちゃう。
苦笑しつつ鞄を渡すと。
「なんや、和葉。リボン解けとんで」
そういえば。ポニーテールのリボンを結ぼうとした所やったっけ。リボンの形になってないのに違いない。
「結んだるわ」
平次が二人分の鞄を机に置き、アタシの後ろに回る。ちょっとだけ屈もうとした時。
「動くなや。やりずらいやん」
え?
手際よく、平次がリボンを結びなおす。
「いっちょあがりや。行くで」
「うん」
いつの間に。いつの間に平次とアタシの身長差はここまで開いとったんやろ。
以前は、アタシが少し屈まないと結んでもらいずらかったはずやのに。
そういえば、平次と話す時に見上げる角度がちょっと上がった気もする。
アタシの身長は最近変わらへん。平次は。平次はまだどんどん伸びるんやろか。
「平次今、身長差を誇示したやろ」
「ん?なんやそれ??」
「なんでもなーーい」
「変なやっちゃなあ」
夕暮れが、アタシを見下ろす平次の顔を赤く染め上げる。きっとアタシの顔も赤く染まってるに違いない。
アタシの顔がホントに赤いのを、隠してくれているに違いない。
「あ、奢ってくれるん、ラーメンでもええわ」
「値段上がってるやん!!」
「今日、うちおかんおらんねん。その手じゃ和葉に作ってもらうわけにもいかんしなあ」
「人の手料理、あてにすんなや」
「ああ、今日で俺、飢えて死ぬんやろか」
「……昨日作ったシチュー、平次んちに持ってく、ってので手ぇ打たへん?」
「サンキュー!!和葉ちゃん、大好きやで。んじゃ帰りに神戸屋寄ってパン買うてこ!!」
夕暮れが、アタシたちを包み込む。
更に顔が赤くなったアタシを隠すように、包み込む。
あー。勢いで描いたんですけど、これ、いつ頃の話なんでしょうねえ。中学生?それとも最近?
そもそもかがまないでもリボンが結びやすい身長差って、いくつよ!! 10センチくらいあればOK?<それ位考えとけ
蘭ちゃんの身長が160センチ位、和葉は、ちょっと低いっぽいので160センチ弱かなあ。平次と和葉の差は……10〜15センチくらい?
ってことは平次は170センチ強ってことかなあ??175センチくらいあると思ってたよ。あるのかなあ?
新一と平次は同じくらいですねー。シャッフルロマンスを見る限り。
あれ???シャッフルロマンスで蘭ちゃんと新一、同じくらいの身長じゃございませんこと??高いヒール履いてるのかな。
←戻る